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しようがねぇ
「明日、 菜々緒の店に行ってくる。
中村さんは 田中と直子とのんびり家に居てくれればいい」
上総は1人で行くことを決めている。
「そんな事、 言ってオメェじゃぐちゃぐちゃにするだけじゃねぇのかよ~ 俺も行くしかねぇと思うがな、 どうだ?」
中村は上総の事が心配だが直之の事も心配だった。
「大将····上総さんを頼みます」
やっぱり頼りないんだな~と思いながら中村に託した。
「中村さん、 橘くんの無茶な行動を止めさせてください」
「直子ちゃん、 上総のムチャを止めるよ。 俺だって心配だからよ、 同行するんだよ」
(俺はそこまでバかじゃねぇ。 納得出来ねえ事は譲れねぇだけだ!)
上総は思いながらブスくれる。
「もう、 オレは寝るぜ! 中村さん、ほらヤニ切れしてんだろ」
上総はショートホープをポイと投げ車椅子で寝室へ行ってしまった。
(まだお昼だよ~上総さん)
田中は思ったが昨晩は何かあったんだろうと中村に聞こうと声をかけようとしたが····
上総が寝転びながらタバコ吸っているソファーで中村はショートホープを片手に握りながら寝ていた。
「あぁー! 大将~! 何で寝ちゃうんだよ~」
「陸斗くん、 ちょっと静かに····中村さん、疲れちゃってるんだよ。 タオルケットとか何処にあるの?」
直子は寝ている人は起こさずじっくり眠らせてあげるのが良い行いだと思っている。
「直也のねぇちゃん~優しすぎるでしょ」
「····人へのささやかな恩返しが出来るようになりたいの」
直子は、 ぽつりとこぼし上総の寝室を眺めた。
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