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「何をやってんだ、 オメェはな人権なんてねぇんだよアニキにも言われたろ、 飼い殺しだってよ~それを菜々緒が仕切ってるんだ。 逃げれると思うな」
正義は只の脅しでは無いことを知らしめてやろうとライターを取り出し、 安っぽい音を立てて火を着ける。
「正義! 直美さんをいたぶるなよ~! これからホステスでやるんだから~傷ものにするなよ~!」
着物1式持って休憩室から出てくる菜々緒は正義の行動を制する。
「アンタもさ何、 転がってんのよ! 早く着付けしないと森田が到着しちゃうじゃん~正義! 起こすの手伝って」
直之の結束バンドをハサミで切りながら
「オメェの着物かよ」呆れながら聞く。
「私のじゃ~ないよ~アンタ、私がこんなの着てるの見たことある?」
「いや~、 ねぇな」
「溝口のだよ~アイツがおふざけで着てさ~随分昔の事だけどね。 お母さんが死んでさ、何年も ず~っとお葬式が続くみたいだったガキの頃の正月にさ溝口がこの着物、着て場を盛り上げたんだよ~」
(流石、アニキ····何でもやるんだな)
直之の着物の着付けが終わるとインターフォンが鳴った。
「お嬢、只今到着しました。 お嬢~森田です」
オートロックに初めての訪問者、 森田。
「森田のアニキ、 お疲れ様です。 只今、お開けします」
「私もオートロックの解除の仕方、 教えて」
菜々緒は正義の横に行き解除のやり方をそばて見る。
「相手の顔を確認してからパスワードを入れる。まぁ、キャッシュカードみてえなもんだな」
ふぅ~んと菜々緒は納得したがもう少し改善が必要だと思えた。
「おはようございます。 おや? 新しいホステスですか? ずいぶん年くっているんじゃないですか?」
「うふふ~年なんか関係ないわよ~この人は、直美さん。よろしく頼むわ。 さてと同意書の説明はじめるわよ~」
菜々緒は笑いながら伝えるが隣では、渋い顔で黙る正義。
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