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帰宅
「おかえりなさい~! 上総さん、 一晩中、どこ行ってたんだよ~! 大将と一緒にさ~でさ、 直也は?」
田中がブーブー言いながらドアを開けて出迎えた。
「····いろいろあってな····ドジっただけだ! チクショウ!」
上総は悔しそうに吠えた。
「上総さん顔色悪いよ? 直也になんかされた?」
「なんでもねぇよ! 田中は直ぐ鼻血は止まったんだな、良かったじゃねぇか」
「何の事だ?」
中村は話がまるで見えなかった。
「橘くん····」
直子は爪を噛りながら上総を出迎えたが伝えたいことが色々あるように見える。
「どうした? 悪りな、 直也は説得することが出来なかった····けどよ俺は行くよ、俺は納得なんか出来ないからな! 2週間後だ」
「直子ちゃん····俺も付き添いで行くんだ」
中村は呟いた。
「ちょっと待ってろよ~中村さん! 店は?」
田中も気持ちが不安になり店の事を切り出した。
「中村さん、 橘くんを止めて。 お願いします」
店の事、直子からのお願いだが、 上総を止めることは中村には出来ない。
「溝口さんなら、止めることは出来るだろうな····」
ふぅと息を吐く中村。
そんな時上総のスマホが鳴った。
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