児童相談所

1/1
前へ
/233ページ
次へ

児童相談所

学校では職員会議が行われ児相に連絡を入れた。 状況は把握できていないが母が亡くなってから1週間は学校に来れていない父親とも連絡が取れない状態、生まれたばかりの赤ん坊はちゃんと生きているのかも心配される。 学校からの通報で児相が様子を見にやって来た。 児相からの担当職員が直子の家に訪れインターフォンが何度か鳴った。 直之が泥酔して出られはい。揺すられても叩かれても起きる気配がないので直子は「はい」と言葉だけで出た。 「○○児童相談所の佐々木です。直子ちゃんかな?  お父さんいますか?  直也君は元気ですか?  顔を見たいんだけどドアを開けてくれないかな、直子ちゃんご飯は食べている?」 うるさい! そんなに質問されても答えなんか···· 「····私は元気です。直也も元気です。元気じゃないのはお父さんです。私が学校に行っている時、直也が心配なだけです」 分かったなら帰って、お母さんが居たこの家から離れたくない、お父さんだってもう少ししたら元気になるんだから!  直子は叫んで罵倒したかった。 「ごめんね、また来るから。その時はお顔を見せてね。おじさんは佐々木と言う名前だよ。ご飯食べれない時や困った事がある時は電話してね、携帯番号ポストに入れておくから」 佐々木は名刺をポストに入れて踵を返した。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加