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上総の家
いつもの事だか無愛想な顔で帰宅する上総。
「坊、相変わらず不景気な顔だな、ただいまくらい言って下さいよ」舎弟頭の溝口から苦言される上総。組の奴らに出迎えられても嬉しくもないのでただいまも言えない。
「しょうがねぇだろ、腹減ってんだよ」
「お嬢は機嫌良くただいまって帰って来ましたよ、坊も何か食えば良いでしょ、焼き芋くらいありますよ」
「要らねぇ、菜々緒は食ったのか?」
「お嬢は食べましたよ。今、部屋に居るんじゃないですか」
「そんなもん食うから肥るだの何だの気にするんだよ、あいつは」上総は溝口に軽い冗談を言いながら菜々緒の部屋に行った。
「ガキの言うセリフじゃねぇな」呟いて溝口は笑った。
姉の菜々緒は部屋でペディキュアを乾かしていていた。
「くせぇー」呟きなから上総が入ってきた。
「うるさいわね! バイオレット~綺麗でしょ、文句言うために来たんだったら部屋から出てって」
頭をボリボリかいて話を始めた。
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