友人Fの本懐6 - Fの苦悩の日 -

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関口。 Fと私の共通の友人なのだが、この男は私とFを繋いでくれた友人でもある。 ある夏の日、Fと二人、喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら時間を無駄に浪費していた。 ある夏の日と言えばその日だけかと思われるかもしれないが、若い頃なんて毎日がそんな感じで、昨日も会って話をしたのに、何にもする事が無くても、毎日毎日、水みたいに薄いアイスコーヒーを飲みながら何時間も喫茶店で過ごしたモノだ。 ふと顔を上げると喫茶店の外に、関口が立っているのが見えた。 「やっぱ、此処に居ったんか」 と関口も意気揚々と入って来て、一人だけランチを頼む。 この関口は高校生の癖にパチンカーで結構金を持っている。 私もFも関口にどれだけ飯を食わせてもらったか、わからない。 この日も関口が来るのを待って飯を食おうとしていたのだろう。 そんな日が多くて、よく覚えていないのだが…。
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