指   痕

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 「その歌手、お好きなんですか?   私も気になってたんです」 僕が好きだった 時代遅れのフォークソングを カラオケで選んだら 純奈がそう言ってくれた。  「中古のCDなら   持ってるけど」  「ええ?!貸して戴いて   よろしいの?」 そんなやり取りで会った 日曜のコーヒーショップ、 話が弾んで焼き鳥屋。  「大人の店ですね!」 楽しんでくれる純奈に 波留には感じたことない 胸の甘い疼きを 認めずにはおれなかった。 それから出社が… 純奈と話をするのが 嬉しくて…嬉しくて…… でも…所詮と… 諦めていた。 そんな矢先の  「君なら真面目だから   娘を任せることが出来る」 専務の一言。
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