指   痕

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…この時点で… 始まっていた僕の冷酷。  「ちょっと距離をおかないか?」 そんな言葉で波留を遠ざけ… 引っ越しまでして身辺整理。 プライベートの携帯番号も変え、 職場では波留と目を 合わさないように。 悲しそうな視線を背中に 感じたとき、胸はズキリと したけれど…したけれど 人間は所詮勝手なもんだ、 その視線が…ジリジリの 日差しみたいに厄介になった夏、 純奈との交際は、 結婚に向けてすこぶる 順調に運んでいた。
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