九尾の望み~前編~

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九尾の望み~前編~

無限列車での戦い後、蓮は煉獄の意思を継いで、炎柱に即位した。その直近の単独任務で彼は鬼と住職の鬼と対峙していて、かなり追い込んでいた。 「炎の呼吸!伍ノ型、炎虎!」 タイミング良く踏み込み、蓮は無駄のない動きで住職の鬼の頸を斬り落とした。鬼の体が崩れて行く中、身に付けていた首飾りが蓮の足元に向かって転がり落ちた。 「首飾り?崩壊して行っていないと言う事は鬼の所有物ではないのか・・・何だか、狐を連想させるような装飾の首飾りだな・・・」 それに気が付いた蓮はそう一人言のように言いながら、その首飾りを手に取った。 《お前なら我が長年の願いを成就させてくれそうだ・・・》 (えっ・・・!?何だ!?今、誰かの声が聞こえたような・・・っ!?目の前の視界が突然歪み出した・・・!駄目だ・・・!意識が・・・遠退いて行く・・・!) そして蓮の耳に囁くような覚えのない男性の声が聞こえて、蓮は驚いた表情を見せた。その直後に、蓮の視界が波立つ水のように歪み出して、意識が保てなくなり、そう心の中で呟きながら気を失ってうつ伏せになって倒れた。 「救援者!救援者!」 それを目の当たりにした蓮の鎹鴉、陽日はそう慌てながら言葉を発し、他の者を探しに飛んで行った。数分後、陽日は近場で任務に入っていた伊黒を発見して、助けを求めた。 「全く気絶して倒れるとは・・・!だが、乱雑に置かれた服を見る限り、鬼の討伐は完了しているようだな・・・仕方ない・・・俺が旭里を蝶屋敷まで運ぶか・・・」 それから陽日の案内で、伊黒は蓮の元に到着して、彼の姿を見るなり、ネチネチと言葉を発し掛けたが、鬼の討伐が済んでいるのを見て、直ぐに止め、蝶屋敷まで運ぶ事にした。
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