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「パパ!」  陸の声で我に返る。いつのまにかメリーゴーランドは終わったらしい。 「楽しかったか?」  そう聞くと、陸はこくりと頷いた。陸は俺とはあまり喋らない。何を話していいのかわからないのだろう。でも俺だってわからない。 「かき氷食べるか? それともメロンソーダ飲むか?」  目についた旗や店の看板メニューを片っ端から挙げてみるが、陸は黙って首を横に振るばかり。俺は舌打ちしたいのを堪えてマップを開いた。   「次、何乗りたい」  作り笑いで問いかけると、陸はじっと俺を見る。何もかも見透かすような、純粋で汚れのない瞳。見ていられずに目を逸らす。 「あれ、行きたい」  陸は何やら大きな建物を指差した。ミラーハウス、という看板が掲げられている。 「じゃあ行くか」  さっさと歩き出す俺の後を、陸が必死についてくる。
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