なんか受かっちゃった

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「兄貴、超絶音痴じゃん」 「!!!」 ぐさぁっと言葉が胸に突き刺さる。 ……そう、そうなんだ。 俺、実はびっくりするほどの音痴なのだ。 あれは家族でカラオケしに行った時のこと。 お母さんもお父さんも弟も80~90点を取る中、俺だけ50~60点という。 しかも俺が歌うと皆耳を抑えてしまうのだった。 「い、いや!そ、それもこれから頑張って練習する!!」 「まぁ…そうだね…。すごく大変だと思うけど…。 でも、兄貴が決めた道ならどんなことでも俺は応援するから。頑張ってね」 ここまで話してもまだ信じられないという顔をしていたが、それでも最終的にはそう言ってくれた。 やっぱり弟はいい子だ。そして出来すぎ君だ。 「うぅ…ありがとう龍…!じゃあ、お母さんにも言ってくる!!」 「うん、いってらー」 龍からのエールを貰い、単純な俺はがぜんやる気が出る。 それから弟の頭をわしゃわしゃ撫でると、謎のガッツポーズをして、意気揚々と階段を駆け下りて台所に向かった。 「…兄貴、こういう時の行動力はほんとすごいよな…」 開きっぱなしのドアを見ながら、困ったような笑顔で龍はそうつぶやいた。
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