19人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、合格発表の日。
「りゅうぅぅぅぅぅぅぅ!!兄ちゃん怖い!現実を知るのが怖い!!」
あまりにも緊張しすぎて、朝ごはんも全く食べられなかった。
そして、出かける前に見送りに玄関まで来てくれた弟に泣きつく。
龍はそんな俺を優しい眼差しで見てくれていた。
「そんなこと言ったって、もう結果は出てるんだから」
「そうなんだけどさぁ…行くまでにぶっ倒れそう…」
「大丈夫だって!それに、兄貴は頑張ってきたのだから、どんな結果でも後悔無いだろ?」
「うぅ…お前は優しいなぁ…」
俺よりもできた弟の励ましに、溢れた涙を拭く。
「ほら、笑顔で行って来いよ!
どんな結果でも今日はゲームしてぱーっと遊ぼうぜ!」
そこで、「昨日買ってもらったんだー」と最新ゲームを見せてくる。
前、2人で遊びたいねーと話していたやつだった。
「うん!じゃあ、行ってきます!」
「いってらっしゃい。結果わかったらすぐ連絡しなさいよ!」
「はーい!」
支えてくれている人の存在を再認識しつつ、お母さんにも見送ってもらいながら俺は早足で会場に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!