食う、飲む、そして眠る。

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 それから三日。  三日かかった。  冷蔵庫に蓄えていた発泡酒やチューハイをひたすら飲んで、彼が置いていった雑誌や漫画を引きちぎり、クッションを破壊して。    悪夢を見まくって、お酒も底を尽きて、ついには何も口に入らなくなって。  干からびたミミズのように床に転がっていた私は、彼が出て行った三日後、さすがにお腹が空きだした。  三日経って冷静になってから言えることだけど、一瞬、本当に一瞬だけど、うっすら死んでしまおうかとも思った。  それくらい、彼のことを愛していた。  上京して三年、彼の為にこのアパートで一人暮らしを始めたようなものだったし、会社でどんな嫌なことがあっても、彼とここで他愛もない話をしてご飯を食べるだけで忘れられた。  好きなお笑い芸人も同じ、好きなカップラーメンもお酒も、応援しているサッカーチームも、音楽も、皆一緒だったのに。 「……いただきます」  家に唯一あった食料のカップラーメンは、死ぬほど美味しかった。  鈍器で頭を殴られたくらいの衝撃の美味さだった。  人は失恋をしても時が経てばちゃんとお腹が空くし、極限状態だとカップラーメンは死ぬほど美味しいし、家系はカップラーメンになってもクオリティは劣らないということがわかった。  そして私は、少しだけ生きる気力を取り戻し、いや、この憤りを早く何かに変えたくて、午前零時に街へ繰り出すことにした。    
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