第1章 ロストバージン

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髪を掻きながら、情さんはスマホを見ている。 たぶん、お客さんからの申込を待っているんだろう。 これじゃあ、私への連絡なんて無理だ。 「ねえ、そのお姉さん達は、時給いくらなの?」 「時給なんてねえよ。一回、3~5万。」 「……セックスするの?」 「まあ、風俗だからね。」 「ふうん。」 1回セックスするだけで、3万入るのか。 私の1か月分のバイト代と一緒だ。 「それって、私でもできる?」 「ぶっ!」 情さんは、呆れた顔で私を見る。 「そんないいもんじゃねえよ?好きでもないキモイおじさん、相手にしなきゃいけないし。」 「そうだよね。」 「それに……」 情さんは私をじーっと見る。
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