第1章 ロストバージン

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第1章 ロストバージン

小さい頃から手足が長く、周りからはお人形さんと言われていた。 高校生の時、モデルになりたくて、単身上京してきた。 いくつかの事務所を当たって、三か所くらいオーディションに合格したけれど、実際モデルになる為のレッスンをしてくれたのは、一か所だけだった。 今は、その事務所でモデルの仕事が来るのを、待っている。 「はぁー、苦しい。」 目の前にある封筒の中身、3万円を見ながら、私はお腹を摩った。 「これで今月暮らしていくのか。」 洋服だって欲しいし、美味しい物は食べたいし、毎日の食事も必要。 それなのに、バイトの収入がこれだけって。 空いた隙間時間にバイトしてるから、仕方ないんだけどさ。
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