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ライトの明かり
明かりかぁ。
ポケットから携帯を取り出してスイッチを押すと画面がまぶしい。
携帯についているライトをつける。
「そっか、携帯があったね。」
ふふっ、とミナミの安堵した声で笑った。
携帯のライトを入り口のドアの方に向ける。
電気があるなら、ドアの横の辺りにスイッチがありそうなものだがそこには見当たらなかった。
「ないなぁ。そっちには電気のスイッチない?」
部屋の外にいるタケシに向かって言った。
「こっちにもないな。」
タケシがガタガタとドアを動かして開けようとするがドアは動かない。
携帯を片手に持ったまま、オレも片手でドアの取手を動かして見るがドアは動かない。金属製で重たい扉ではあるが明らかにロックされている。
「もしかして用務員さんが戻ってくるまでこの部屋の中にいるってこと?」
ミナミが困ったように言う。
昨日の夜、充電しておかなかったせいで携帯の残量は40%だけ。
時間が長引くとなると電池の残りが心配だ。そう思ってオレは一度携帯のライトを消すと、
「えっ、消すの?!」
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