05.FIN

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モニターに映し出されるシーンは当時の記憶を呼び起こした。 印象的な台詞。クライマックスに向かう音楽。 でも、隣にユーリの温もりは感じられない。 ごめんね。謝りたい。 もう一度、隣で映画を観たい。 『FIN』の文字が映画の終わりを告げる。 FINは現実に戻る合図だ、と彼女は言った。 流した涙は、映画によるものか、彼女への追悼か分からなかった。 プッシュ通知が鳴った。 グループではなく個別のトークでユーリからメッセージが届いたのだ。 開かない訳にはいかない。 二年間の時間の地層に埋もれていたトーク画面。 ユーリの自殺前日のトーク履歴で止まっていた画面。 『明日私のお墓で待っています』 あなたは本当にユーリなの? 明日、確かめに行かねば。
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