05.FIN

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翌朝、私は黒い服に袖を通した。 天気は生憎の雨模様だった。 電車とバスを乗り継ぎ、指定の時刻にお墓に到着した。 彼女のお墓に行ったことはなかったけど、トークで位置情報が送られてきたのだ。 石畳は所々すり減っており、水溜まりが寂寥感を増した。 お墓の前には何本も傘が並んでいる。 そうか、今日は三回忌。ご家族だろうか。 あの、と声を掛ける前に私の気配に気づき、傘が動き、顔が見えた。 二年前と変わらないユーリの凜とした顔。 そして、今日殺されるはずのモモカ。 それだけではなかった。 殺されたはずのスレイブ、モモカの取り巻きたち、ナオ。
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