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翌朝、私は黒い服に袖を通した。
天気は生憎の雨模様だった。
電車とバスを乗り継ぎ、指定の時刻にお墓に到着した。
彼女のお墓に行ったことはなかったけど、トークで位置情報が送られてきたのだ。
石畳は所々すり減っており、水溜まりが寂寥感を増した。
お墓の前には何本も傘が並んでいる。
そうか、今日は三回忌。ご家族だろうか。
あの、と声を掛ける前に私の気配に気づき、傘が動き、顔が見えた。
二年前と変わらないユーリの凜とした顔。
そして、今日殺されるはずのモモカ。
それだけではなかった。
殺されたはずのスレイブ、モモカの取り巻きたち、ナオ。
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