05.FIN

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「どうして私なのよ! 幼馴染みなのに! 何もしていないのに!」 「あなたは幼馴染みでした。何もしていませんでした」 「だったらどうして!」 「何もしなかった。謝ることも、イジメを止めることも。何もしなかったから」 背中から体温がすーっと引いていくと感じた刹那、下腹部が熱くなった。 ゆっくりと視線を移動する。 黒い服に彼女の手が添えられている。 その手がどんどん赤く染まっていく。 何だこれ? あぁ私の血か。 隣でモモカの泣き叫ぶ声が聞こえる。 あなたも刺されたのね。ご愁傷様。 私は薄れゆく記憶の中、中学時代に戻っていた。 「恵美の癖に名前負けしている」といじめられる私をユーリが助けてくれている。 この場面で『FIN』が付いたら良かったのに。 モモカにユーリの中学時代のイジメを教えるシーンなんかカットしてくれれば良いのに。
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