01.軽い言葉、よりも軽い命。

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事の発端は新たなグループトークだった。 二年三組に在籍していた三十七人全員が招待されたグループ。 連日四十度に迫る猛暑の中、彼女の命日の一週間前にできたグループ。 グループ名は『ゆるさない』。 作ったのは、ユーリ――自殺したクラスメイトの名前――だった。 『誰だよ、こんなグループ作ったの?』 『え、ユーリ?』 『ユーリな訳ないじゃん』 そんなことは分かりきっている。 彼女は二年前に死んだのだから。 死んだ後も名前を騙られ、死者に鞭打つとはまさにこのことだと思った。 不謹慎にも程がある。 私は怒りを覚えたが、すぐに鎮火させた。 誰も反応しなければ、すぐにアプリのトーク画面では埋もれていくだろう。 わざわざ思い出したい出来事でもない。 こういうのは無視(スルー)が一番良い。 それなのに、馬鹿な元クラスメイト達はトークを上げ続けている。 人は二年やそこらじゃ変わらないな。成長できていない。
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