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事態が変わったのは、その三時間後だった。
プッシュ通知がうるさくて、仕方なくスマホのトーク画面を開いたのだ。
『おいマジかよ』
『ニュースになってるよ』
トークの流れが速すぎて、目で追うのが大変な有様だった。
「恵美、大変よ!」
呆然としてスマホの画面を眺めていると、階段を駆け上る音と母が呼ぶ声が聞こえた。
「恵美!」
ノックもせずに母は包丁を握ったまま私の部屋を開けた。
「二年生の時の先生が殺されちゃったって!」
私はリビングに降りて、ローカルニュースを眺めた。
卒業アルバムからのトリミングだろうか、担任の粗い顔写真と名前・年齢のテロップ。
「あら嫌だ、タマネギ焦げちゃったわ」
既に母の中での優先順位は、元担任の死より晩ご飯に移っていた。
先生の死は偶然だろうか、それともユーリが手を下したのだろうか。
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