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ハンバーグを食べながら、母は思い出したように聞いてくる。
その間もスマホのプッシュ通知は鳴り止まない。
「良い先生だったわよね?」
「うん」
「ユーリちゃんが亡くなった時の先生よね?」
「うん」
確かに良い先生だった。外面だけは。
ユーリが自殺した後、テレビで謝罪したのは校長と市の教育委員会の偉い人だった。
担任のインタビューはモザイクをかけられ報道された。
騒動の後、担任は他の高校に転任となった。
離任式をした記憶はない。
担任は勘違い野郎だった。
くすりともできない寒いギャグを飛ばし、愛想笑いに気づかず人気者と勘違いしていた。
その様子がおかしくて、クラスの何人かはわざと爆笑していた。
つまり、あの担任もいじられていたのだ。ご愁傷様。
きっとグループトークを見たら自信喪失しただろう。
ユーリのことだって、相談に乗ることで彼女を追い込んだ。
ドラマの見過ぎなのか、ウザかった。
ユーリ本人からいじめの相談を受け、クラスでアンケートをとった。
その結果、いじめではなく、ただのコミュニケーションだと片付けた。
それどころか、何事も経験だ、ポジティブに考えろと言い出して、自殺練習まで行わせた。
ユーリは練習させられた通りの方法で自殺したらしい。
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