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一目惚れだった。
天使って本当にいたんだ、そんな馬鹿みてぇなことを本気で思った。
艶やかな背中まで伸びた黒髪、白い肌、スラリとした身長、パッチリと自分を見据える瞳。
高校三年生くらいか?と思っていたら一年だったので驚いた。
そもそも俺の担当クラスは一年なんだから一年に決まっているのに…それくらい大人びていた。
塾講師なんて、特にやりがいもなくやっていた仕事だったが、この時ばかりは塾講師をしていてよかったと思えた。
彼女の名前は西沢春奈。
塾には友達がいないようでいつも一人で受講していた。
必要最小限の会話しかしたことがなかったが、冷たそうな印象を俺、桜井賢人は受けた。
俺はどうにか彼女を自分のものに出来ねぇかと考えていた。
しかし自分は教師、こちらから彼女に近づくことなんて出来ねぇ。
それを歯がゆく思っていた。
そんな時だった。
「先生、私とセックスしませんか?」
今、何を言った?
俺は突然のことに情報処理能力がバカになった。
春奈が自分に近寄ってきてそんな発言をしてくるなんて。
「西沢、本気で言ってんのか?」
俺は思わずそう尋ねた。
「本気です。どうですか?私じゃ不服ですか?」
春奈が勝気な瞳をこちらに向けてくる。
どうやら本当に真剣らしい。
教師として断らなければならねぇ。
そう葛藤した。
しかし自分の欲望に打ち勝つことが出来なかった。
春奈を抱いてしまいたい。
そう思ってしまったのだ。
「後悔するぞ?」
俺は薄く笑った。
「先生こそ、こんなお誘い二度とありませんよ?」
春奈がそんな風に挑発してくるから。
「そういう生意気な生徒は嫌いじゃない」
もう自分の欲望を完全に止められなくなっていた。
気付けばあっという間に春奈を自分の部屋に連れ込んじまっていて。
自分でも中学生かと笑いたくなってしまうほど余裕がなくて、すぐに春奈をベッドに組み敷いた。
「あっ…あん…」
制服のシャツのボタンを開けて胸の突起を舌で転がしてやると春奈は可愛く鳴いた。
こんな風に鳴くんだと意外だった。
もっと冷静でクールな女かと思っていたからだ。
もしかして可愛いのか?
そんなギャップ、ますますハマっちまうじゃねぇか。
困った。
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