2282人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪くないと思った」
「えっ?」
長身で、そういえば、顔も好みでないこともないイケメン課長にそう言われ、衣茉は生まれて初めて、ちょっとときめいた。
「お前は顔が悪いわけでもなく、莫迦でもない。
声もしゃべり方も耳障りでないし。
よく考えたら、悪くない」
……あの、そんなこと言われて、では、あなたの花嫁になります、と言う女はいません。
確かにこの人、普通の恋愛は難しそうだな、と衣茉が思ったとき、八尋がまっすぐ衣茉を見つめて言った。
「お前、俺と結婚しないか」
「い、嫌ですよっ。
私のこと好きでない人となんて結婚できませんっ」
「じゃあ、今からお前を好きになろう」
どうやってっ!?
最初のコメントを投稿しよう!