バレました……

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「悪くないと思った」 「えっ?」  長身で、そういえば、顔も好みでないこともないイケメン課長にそう言われ、衣茉は生まれて初めて、ちょっとときめいた。 「お前は顔が悪いわけでもなく、莫迦でもない。  声もしゃべり方も耳障りでないし。  よく考えたら、悪くない」  ……あの、そんなこと言われて、では、あなたの花嫁になります、と言う女はいません。  確かにこの人、普通の恋愛は難しそうだな、と衣茉が思ったとき、八尋がまっすぐ衣茉を見つめて言った。 「お前、俺と結婚しないか」 「い、嫌ですよっ。  私のこと好きでない人となんて結婚できませんっ」 「じゃあ、今からお前を好きになろう」  どうやってっ!?
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