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「どれもいまいちだな」
と衣茉が提出したプロットを見て、打ち合わせのブースで秋馬は言った。
「……恋愛ものとか書かねえのか」
「れ、恋愛ものは書けませんよ。
先輩、ご存じでしょう。
私、好きな人とかいたことないんで……」
他の編集さんに熱く小説の内容を語っている他の誰かの声を聞きながら、衣茉は、ごにょごにょと言い訳をする。
「人殺してないのに、ミステリー書けてるし。
空飛んでないのに、飛べてるじゃないか、ファンタジーで」
いや、そうなんですけどね……。
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