タコさんウインナーの悲劇

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 翌日、柳原君にタコさんウインナーを食べられてもいいように、二つ作ることにした。仕返しよりも守りを鉄壁にしようと思った。これならさすがに大丈夫だろう。  お昼休みになると、いつものように柳原君がやってきた。私は今日こそはタコさんウインナーの安全を確信していた。 「タコさんウインナー二つもらいます!」  私が悲鳴にも似た声を出しているにもかかわらず、柳原君はタコさんウインナーを二つとも食べてしまった。ううっ、悔しい。  柳原君がお弁当箱を持ってきて、中身を見るとそこには衝撃の光景があった。お弁当箱が白飯を除いて、全て大きなタコさんウインナーになっていた。 「こんなにたくさんのタコさんウインナーどうしたの?」 「一昨日、俺が早川さんのタコさんウインナーを食べて怒っているみたいだったから、今日はたくさん作ってきた。好きなだけ食べていいよ」  柳原君、気づいていたんだ。でも、私は戸惑った。 「こんなにたくさん食べられないよ。それにさすがに飽きちゃうような」 「残したらあとは全部、俺が食べるから。それに全部味付けが違うから」  私は目を丸くして驚きながら食べていくと、確かに味が全然違っていた。同じウインナーなのにこんなに違うことに驚いた。
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