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復讐は相手が生きているうちに行わなければならない
相手がいつ事故や病気で死ぬか分からないからだ
復讐とは単なる自己満足だ
自分が殺さなくても時間が殺してくれる
相手が幸福なのが気に入らなくてもそんなものは脆く崩れる
呪いをかける必要もない、忘れた方がいい
百年経てば誰もいない
復讐ほど考えてみれば愚かな行為もない。自分の気持ちがどうしても治らないから復讐するのだろうが、そんな気持ちはせいぜい10年持たない。
10年経てば相手の様子も随分変わっている、事故や病気で死んでいるかもしれない。それでも自分の手で復讐したいのだろうか。無駄なことである。
復讐しようとする人は自分可愛さのためにする。自分をこんな目に合わせたのが絶対に許せないと思うのだろうが、気持ちは痛いほど分かるが、止めるべきだ、復讐の連鎖というものが昔はあった。いつまで経っても相手が根絶やしになるまで終わらない。だが人間はそこまで愚かだろうか。夜空を見渡してみればいい、この広大な宇宙でちっぽけなことに思い煩うのが馬鹿げている事くらい分かるはずだ。そして100年経てば当時の人は誰もいなくなる、子孫がいたとしてもその子には無関係なことだ。頭を冷やせば分かることだ。
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