400文字恋愛

初恋

　＊

　夏休み。
　高校２年生。
　新米教師の先生に恋。
　自覚はなかった。
　先生は朗らかじゃない。口は真一文字。
　あだ名はロボ岸。
　無機質なロボット×苗字が峰岸。
　顔は悪くない。
　小顔で黒ぶちメガネ。目がビー玉。
　色白。喉仏が意外と出てる。
　身体は華奢。２次元のＢＬキャラっぽい。
　前髪は真ん中分け。毛先がほんの少し丸い。
　柔らかそうな髪の毛。
　モテる要素はあるのに。
　部活帰り。
　コーラ片手の先生発見。
　無意識そう。
　数学のことで考えてる？
　この暑さでバグった？
　意味フ。
　ペットボトル上下に振ってる。
　あぁ、これは確定。
　案の定、噴射。
　手とシャツ、コーラまみれ。
　バグってた先生、我にかえる。
　慌てる姿が可愛い。
　わたしと目が合った。
　今更ロックオン。
　準備ならもうとっくに出来てた。
　わたしの初恋が始まった瞬間。
　今の、誰にも言うなよ。
　リフレイン。
　眩しい。
　はにかんだ笑顔。
　頭に焼きついて離れない、帰り道。
　わたし、先生が好きみたい。
　予感が、確信に変わった瞬間。