ビアンカの秘密

4/5

100人が本棚に入れています
本棚に追加
/281ページ
「ビアンカ、この大会が終わったら、俺と結婚しないか? 俺とマシュマロウは優勝する。そして地球に永住するんだ。お前が俺の妻になれば、お前も地球に住めるぞ。どうだ?」  自信過剰とも言えるアンドレスのプロポーズに対し、ビアンカはこう言い放った。 「そういうことは、本当に優勝してから言った方がいいわ」  ビアンカは、試合には負けたが毅然としていて、その堂々とした振る舞いが彼女の美しさを引き立たせていた。 「ビアンカの催眠術はすごいけど、あいつ、あまり頭はよくないな」  観覧席で、圭介があくびをしながら言った。 「なんでさ?」と、明日香。 「ビアンカは、アンドレスに『降参しろ。そしてマシュマロウに降参するように命令しろ』という催眠術をかければ良かったんだよ。アンドロイドは、自分の主人の命令には逆らえないだろ?」と、得意げな圭介。 「そりゃそうだけど……ビアンカさんに負けた圭介が言っても、負け惜しみにしか聞こえないよ」 「あはは。確かにな」  明日香は、圭介が反論してこないので、なんだか物足りない。
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加