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「ビアンカ、この大会が終わったら、俺と結婚しないか? 俺とマシュマロウは優勝する。そして地球に永住するんだ。お前が俺の妻になれば、お前も地球に住めるぞ。どうだ?」
自信過剰とも言えるアンドレスのプロポーズに対し、ビアンカはこう言い放った。
「そういうことは、本当に優勝してから言った方がいいわ」
ビアンカは、試合には負けたが毅然としていて、その堂々とした振る舞いが彼女の美しさを引き立たせていた。
「ビアンカの催眠術はすごいけど、あいつ、あまり頭はよくないな」
観覧席で、圭介があくびをしながら言った。
「なんでさ?」と、明日香。
「ビアンカは、アンドレスに『降参しろ。そしてマシュマロウに降参するように命令しろ』という催眠術をかければ良かったんだよ。アンドロイドは、自分の主人の命令には逆らえないだろ?」と、得意げな圭介。
「そりゃそうだけど……ビアンカさんに負けた圭介が言っても、負け惜しみにしか聞こえないよ」
「あはは。確かにな」
明日香は、圭介が反論してこないので、なんだか物足りない。
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