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シーン:おばあちゃん
これは若かった頃のおばあちゃんの話。私には仲の良い友人が二人いてね。その友人たちとの絆はとっても深かったんだよ。
ある日のこと。
私は彼女たちにあることを話したそうなんだ。それも成人の話だったらしくてね。私が「私たちが二十になったらパーティーしない?」と言ったらしいんだね。
そしたら彼女たちは「いいね、行く行く!」「やろうやろう」と楽しく騒いでいたらいいね。──どうも最近は物忘れがひどくてこの話の最初をよく忘れてしまうね。なにしろ何十年も昔の話だからねぇ──するとなんだか私ゃ「来ないと絶交しちゃうぞ?」みたいなことをいったんだねぇ。そしたら「やだ、絶対行くから!」「約束だよ?」とかなんとか言って約束したんだよ。
それから少ししてね、私たちは疎開することになったんだよ。──疎開って知ってるかい?みんな田舎さ避難するんだよ──でも一人は私よりもちょっぴり上なんだね。勤労動員でさ仕事しに行ってしまったんべさ。たったの一つや二つ離れたくらいで仕事しに行くんだよ。たくましいねぇ。
まあそれから少ししてね──一、二年だったかな。ここからは彼女の母親から聞いたんだけどね──あの子、仕事に行った子は病気かなんか患ってしまってねぇ。でも働いてたんだよ。そしたらあの悲しい事件が起きてしまったんだ。
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