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シーン:私
そう、原子爆弾投下。それによって多くの人が帰らぬ人となってしまったわ。もちろん彼女もそのうちの一人。病気を患ってたせいで逃げられなかったのかな。放射線に最後のトドメを刺されてお陀仏してしまったの。
詳しくは聞いてないけど皮膚がただれ、とてもじゃないけど見れるようなものじゃないわ。──あなたたちも関連の本を読んでみると良いわね。はだしのゲンとかね──
でもその詳しい内容は多くの情報に埋もれておばあちゃんの耳には入らなかったの。けどおばあちゃんの友人の一人がたまたま名前を小耳に挟んでおばあちゃんに教えてくれたわ。
それでおばあちゃんとその子はとっても悲しんだの。初めに聞いた時は驚きの悲しみの容量を超えていて涙も出なかったそうよ。
それでおばあちゃんは「彼女の分は私たちが生きよう。彼女は私たちの心の中にいつまでも生き続けるわ」と固い決意を胸に生きていくことを決めたの。
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