巡回

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巡回

ー朝食後ー 「ふぅ.....」 彼は、椅子に腰を掛け、新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる。 私は部屋の掃除。隅々まで拭いていく。 ユリアが初めてこの世界に生まれたときから、既に一ヶ月ほど経っている。 「マスター...つかぬことをお伺いしますが、お仕事の方はどうなされたのですか。?」 「あぁ、今やっと、一段落したところだよ。」 「一段落....」 「そ、まだ仕事はあるんだけど、一回休憩。!」 と笑いながら言う。 「ユリアは休憩しないのかい。?」 「私ですか?」 「君以外に誰が居るんだよ。」 「私に休憩は必要ありません。」 「そうなの。?」 「私の仕事はマスターの身の回りのお世話です。ただそれだけです。」 彼は少し鼻で笑うと 「そうかい。」 と言って、再び新聞紙を読んでいる。 私も掃除を再開し、沈黙が続いた。 それから、昼食を食べ、本を読み、洗濯物を入れたりする。 流れる風が温かくて、心地いい。 それから時間が経って夕方になった。 「ユリア、僕は買い物に行ってくるから、ご飯を作っておいて、すぐ帰ってくるよ。」 「買い物.....?」 「そ、すぐ近くの市場へ行くんだ。」 「....分かりました。」 バタン__ それから数分経って彼が帰ってきた。 「ただいまぁ。」 「お帰りなさいませ。」 「ん、ありがとう。」 彼のコートを受け取り、ハンガーに掛ける。 夕飯も作り終わっている。 「さ、ご飯も作り終わってるみたいだし、冷めないうちに食べよう。!」 「分かりました。」 皿に盛られたご飯を机に置き、「いただきます」 数分沈黙が続いて、彼は聞く。 「外に興味はあるかい。?」 「....外は輝いています。綺麗です。」 「そっか...。 今度、一緒に買い物に行くかい。?」 「でも、その間、仕事ができません。」 「大丈夫さ、仕事がないときに行けばいいし、絶対に時間通りにやれって訳でもないんだから。」 「....分かりました。一緒に行きます。」 「い、嫌ならいいんだよ。?」 「いいえ、マスターにせっかく誘ってもらったので。」 「....そっか。」 それからまた二人はご飯を食べる。 またしばらく沈黙続いて、彼が言う。 「ユリアに、もう一つ、仕事を任せてもいいかな。?」 「仕事、、、ですか。?」 「そう、森の見回りなんだけど...」 「まえ、マスターがやっていた。」 「そう。夜に森を巡回して、安全かどうか、怪我している動物はいないかどうか。見回りをしてほしんだ。」 「僕は早く寝て、朝から仕事をしなくちゃならない。ごめんね。嫌だったらいいよ。」 「....いいえ。大丈夫です。森の巡回。します。」 「本当。!?ありがとう。」 と、満面の笑みを浮かべている。 「ところで、怪我をしている動物がもしいたらどうすればいいんですか。?」 「連れて帰ってきて応急処置をしてあげて。ユリアならできるよ。」 「...分かりました。」 (その自信はどこからなのだろうか。)
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