巡回

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「ごちそうさまでした。!!」 「僕はお風呂に入ったら、もう寝るね。明日はいつもより早く起きるかもしれないから、」 「分かりました。」 そう言うと彼は、奥の方へ消えていった。 最後の一口を口に入れ、「ごちそうさまでした。」 皿を下げ、洗う。 (マスター、もう寝たのでしょうか。) 風呂に入り、寝間着に着替える。部屋の電気を一通り消して。 (見回り....) ガチャ__ 見回りは家の周りにある森を巡回するため、まだ行ったことのないところ。 家を出ると、すぐ目の前には一本道が続いていて、木のトンネルのようになっている。奥は暗く、何も見えない。手元にあるのは一個のランタンだけ。これを頼りに進んでいく。 ガサッ__ (何か居る。?) そう思って振り返ってみても何もいない。 「っ......。」 汗が頬を伝って行くのがわかる。 まだ肌寒い春の夜だと言うのに手も汗ばんでいる。 深呼吸をする。ランタンをギュッと握りしめて、足を進めていく。 (特になにもないな...) (ん....何か、倒れてる。?) 微かにだが何らかの動物が倒れていると思い、駆け寄る。 でも、そこに居たのは.... (花の塊、!?) 色々な種類の花が集まっていて、それが動物が倒れているように見えたのだ。 (なんd...っ!) ドシャ__ゴン たまたま立っていた場所の地盤が緩んでいたようで、急に体重がかかったことによって地面が抜けたらしい。 (地面が高い....) どうやら、1. 2 mほど下に落ちたらしい。しかも、根っこに絡まって身動きが撮れない。 「どうしましょう.....。」 身動きも取れない、動けたとしても、この高さを一人で登るのは無理。 (このまま朝なってしまったら、どうしましょう。 このままだと、朝食が作れません....。) それから数分経って、月が真上に来た。 (もうこんな時間....。急がないと。) 根っこに絡まった腕を強く引く。 だけれど、全く動かない。 (どうしましょう....) 息を吸い込んで、もう一度力強く腕を引きます。 「っ.....。!」 腕になにか痛みが走った。 急いで腕を見ると、赤いものが流れていた。 (これは....血、!? 急いで手当をしないt......。) (あぁ....だめ。今寝てしまったら。) 強い睡魔のようなものがユリアを襲う。 「マス、ター.....。」                           巡回__2022.8.28
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