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初めての夜
※混浴あり
「ふぅ...」
彼は砂糖加え、少し甘くなったコーヒーを啜っている。私は使った食器を洗っている。ふたりとも喋らないので、自然の音だけが聞こえる。鳥のさえずり、風の音、風で揺れる草木の音....。全てが初めてでずっと不思議な感覚に包まれている。
「.....。
終わりました。」
「ん、ありがと...。
ちょっとお話をしよう。」
と言うと、手招きをしている。
「.....分かりました。」
そう言うと、彼の正面に来るようにソファーに腰をかける。
「君は僕のお世話係としてこの世界に生まれた。
そうだね。?」
「はい。」
「でも、流石に名前無しじゃ色々不便だろ。?だから君に名前をつけようと思ってさ。」
「名前.....?」
「そ、僕のことは......うん。
マスターって呼んどいてよ。」
と、また優しく微笑む。
「マスター.....」
「そ、で君は......そうだな、、、
ユリアなんてどうだい。?」
と、前のめりになって言う。
「ユリア....」
「そ、今日から君はユリアだ。
で、僕のことはマスターって呼ぶんだよ。?」
「分かりました。」
「....あ、そうそう。!!」
急に喋るので何かと思うと、ポケットから紙のような物を出して
「ジャジャーン。!! 僕が作ったんだよ〜。」
と言い、時間と英語で文字が書かれた紙を顔の前に持ってこられた。
「凄いでしょぉ。!」
「これは、、、なんですか。?」
「ユリアの仕事の予定表だよ。」
「仕事の予定表、、?」
「そ、僕は仕事があって、家事ができる時間が少ないんだ。だから今こうやって家事をしてもらってるわけで、予定表があったほうが進めやすいだろ。?だいたいの時間も書いてるし。」
と、次々に話していく。
「この通りに動けばいいんですか。?」
「そ、まぁまだやらないといけない事は沢山有るんだけどね。徐々にこの生活に慣れていったら他にもやってもらうことになると思う。」
予定表を見つめながら話す。
「多いけど頑張って。その分わからないことは何でも聞いて。答えられることは答えるからさ。」
と微笑み、予定表を私に渡す。
「.....分かりました。」
「あっ、もうこんな時間。!!
資料しなきゃ。ごめんね。!!夕食時前には戻るよ〜。!」
と言って慌てた様子で部屋に戻っていった。
「......」
しばらく予定表を見つめたらエプロンのポケットに紙を入れる。
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