輝く

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輝く

 ユリアの朝は早い。空には雲の間から見える朝日の暖かい光。カラスも鳴いている。 (黒い...鳥。) ガタッ__ 彼の部屋から聞こえた何かが落ちたようなそんな音。 彼に何かがあったのかと思い、扉を開けそっと覗く。 ガチャ__ 部屋にはベットから転げ落ちた彼がいた。 (どうゆう状況なのでしょうか....) ベットに戻そうと思ったが、彼が起きる時間はまだ後。 もしここで起こしてしまったらと思い、その場をあとにした。 戻ったら、洗濯物を干す。 夜のうちに回しておいた洗濯機の中から、洗濯物を取り出し、外に干す。 (そういえば....家の外に行くのは初めてだ。) 誰だって、初めてのことはなんだって怖い。 恐る恐るドアノブに手をかける。少し開けると、風が足元を通り過ぎてゆく。 「っ.....。」 胸に手を当てる。これはなんだ。高鳴る鼓動。外というまだ知らないことへの恐怖からだろうか。外なら窓から見ていたはずなのに。 でも、私が今すべきことは洗濯物を干す。ただそれだけ。深呼吸をし、高鳴る鼓動を落ち着かせる。 ドアノブにかけた手に少し力を入れ、前に押し出す。 扉の間から差し込んでくる光が凄く眩しく思えて、目を細める。 「ん....。」 私には全てが光っているように思えた。木も花も、近くを流れる小川も。全てが、輝いている。もう一度深呼吸をし、洗濯物を干す場所を探す。 (...! あった。) 洗濯かごを起き、服やタオルを干していく。二人だけなので干す量は少ない。 (前まで一人...) そう思うと、これよりもっと少ない洗濯物の量。少し寂しい感じがした。
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