線香花火

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線香花火

夏の終わり 星がまたたく夜に 1人庭に出る 手に持つのは線香花火 細やかに飛んだ火花は 私の手元で花開く 見上げた先 光輝く部屋の彼 窓を開ける 見下ろす彼の目に映す 持ち上げてかざす花火は輝き放ち 庭へ誘う 窓が閉まる 寂しさ募る庭先に 俺もしたい 振り返ると 笑顔で立つ 差し出す手に線香花火 言葉なくとも 笑み溢れる 夏の終わりの思い出は 消えゆく線香花火の代わりに 新たなページを紡ぎ始める
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