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今私がいる真っ黒でなんにもない、どこまでも広がっていそうなこの空間は、心の中?
私の腹の中ってこんなどす黒かったの?
ちょっと悲しい。
聞いたものの、言葉の真偽などは、正直どうでも良かった。
しかしあまりに淡白で・・・。
彼女の頭は、一瞬理解に追いつかなかった。
故に。
「は?」
と口に出た。
「は? じゃねーよ!
教えてやったじゃんか!
まだ満足できないってのか?
じゃあ次の質問をしろ」
善意を「は?」で返したせいで、妖精の気分を害してしまった。
彼女は慌てて次の質問をして、機嫌取る。
「・・・私は、死んだの?」
不思議だ。
口に出す直前までは、気持ちも態度も慌ただしかったのに。
一言目が出た瞬間から───彼女は静かだった。
妖精は彼女の目を見て遠慮なしに答えた。
「ああ。
死んだよ。」
・・・・・・・・。
「死んだことで、私が目覚めた。」
・・・・・・・・?
「目覚めた私は、お前のもう一つの命になった・・・。
この意味分かるか?」
「えっ、それってつまり・・!」
命の再生。
「そっ、生き返ったってことだ。
まあ、お前は、な。」
「・・・!!」
喜びもつかの間。
彼女は理解した。
妖精の発言は家族の全滅を示唆していることを。
「そっか・・・。
でも、私は生きてる。
ならすることはもう決まってる」
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