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“コスタ闘技大会”
優勝者には豪華賞品をプレゼント!
と書かれた張り紙。
優勝賞品の一覧の中には、なんと十万Gという文字も。
つまり。
「一気に大金持ち・・・!」
こんな都合のいいことがあって良いのか。
ほんとに良いの?
「ふふふ。
見てなさい、妖精さん。
一攫千金よ・・・」
彼女は最後に開催日に目を向ける。
そこで見たものは光を切り裂く絶望の狼煙。
「あ、開催はえー二十日後だぁ・・」
やはり都合のいいことなんてそうあっていいものじゃないらしい。
笑顔は一瞬にして崩れ、先程までのだるーいと言いたげな、くたびれたものとなる。
「レディ。
どうなされた。
何か困っているようだな。
俺が助けてやろう」
“助けてやる”その言葉に呼応し再び彼女に笑顔が戻──りそうになる。
ここで笑うな。
変に思われるでしょ!!
彼女は一つ咳払いをし、事情を口にし始める。
「えーと、実は旅の資金が底を尽きてしまってですねー。
こまってたんですー。
この闘技大会に参加して一攫千金しようと思ったのに、開催が二十日も先なんて」
旅の資金が尽きたは嘘。
今ここで彼女が決めた一生に一度の嘘。
だってこれから旅をするというのにお金がないなんて不審すぎる。
金色の髪と紺青の瞳をした青年。
見た目だけで言えば金持ってそう。
この人は焚き上がった狼煙を吹き消す、神風になりうるのか!
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