2話 大貴族の御曹司

9/11
前へ
/258ページ
次へ
「うーん、あいっ変わらずデカいわね。 コスタの闘技場は。 闘技の街って呼ばれるだけあるわ」 街に入ればすぐ目に付く。 それほどの大きさを持つ闘技場。 幾度となく改良され続けこれ程の大きさになったそう。 「早く行きましょ。 もう楽しみで仕方ないわ」 彼女の足取りは軽く、鼻歌交じりにアーサーの先を行く。 「皆さん! 大変長らくお待たせ致しました!! これより、コスタ伝統! 闘技大会を、開催致しますッ!!!」 会場は満員。 歓声と熱気が溢れかえっている。 おそらく、街の外から足を運んだ客もいるだろう。 そんなに有名だったなんて思わなかった。 「それでは早速、一回戦第一試合と参りましょう!!」 大会はトーナメント式でなんと試合直前に抽選を行うらしい。 試合まで対戦相手が分からないなんてドキドキでワクワクでしょう!? 私はそうは思わないかなぁ。 「第一試合の対戦カードは!? 初参加! 女だからって舐めてはいけない! 黄金の瞳に一度(ひとたび)見つめられれば蛇に睨まれた蛙になるぞ、気をつけろ!! クーリースゥーーーッ!!!!」 闘技大会の実況者。 その人物は、大声で彼女を紹介する。 そう、ものすっごくダサく、恥ずかしいように。 当然心身共に落ち着いていた、彼女を乱す。 ちょっと待って!? 今の何!? ダサすぎない!?
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加