2話 大貴族の御曹司

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めっちゃくちゃ恥ずかしいんだけど・・。 やめてよぉ。 「VS(バーサス)!! 同じく初参加! 大貴族の御曹司! 最強と呼ばれた男、カエサルの末裔!! アーーーサーーーッ!!!」 何この差・・・。 それより。 「レディ。 貴女が相手か。 すまないが、手加減はできないぞ」 「要らないわ、そんなの。」 初戦で当たりたくない奴と当たった。 天は私に味方したくないみたい。 しかし、彼女は既に揺らぐことなくはっきりと、勝利を見すえていた。 静かに、されど激しく今までにないくらいに闘志を燃やして。 理由はもちろんお金の為。 「さあ、御二方! リングへお上がりください!!!」 リングへ続く階段に、足をかける。 一歩。 また一歩と前へ進む度に、ステージに溜まっていた観客の熱気が強く彼女に吹き付ける。 それはきっと、アーサーも同じだろう。 「準備はよろしいですね?」 審判の男は二人の顔を覗き込むようにして確認を取る。 「ええ」「ああ」 試合が始まる。 これから戦うことに緊張はなかった。 どちらかというと、大勢の人に見られていることの方が緊張する。 「それでは! 第一試合、開始!!!!」 試合開始を告げる鐘が、歓声と共に鳴り響い た。  2話 大貴族の御曹司
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