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『──────クリス!!!
お前ってやつは!!
そこまで馬鹿だったのか!?』
「うわっ!??」
頭の中で大声を出され、くらくらする。
これのおかげでようやく意識が鮮明になる。
『大会で一攫千金〜とか言い出した時点で怪しいと思ったが、まさかここまで馬鹿だと思わないだろ!?
負けた時どうするか、とか。
勝てる保証はあるのか、とか。
考えてたか?
これからどうするつもりだ!?
ああ?』
怒鳴り声は彼女にしか聞こえないが、外に漏れるようなものであれば、医務室を飛び越え、外まで届いていただろう。
それ程の怒鳴り声。
そして妖精は心の中で誓った。
彼女を見守っておくなど良くなかったと。
自分が正しく引っ張ってやらねば、と。
「う、ううるさいわね!
考えてなかったわよ!
だって、勝てるって思ってたもん!!
それに妖精さんだって、もっと早く教えてくれればよかったじゃない!」
布団に顔をうずくめる。
泣いているのか、うえうえと嗚咽を漏らす。
妖精は慰めるどころかため息ついて呆れている。
『そんぐらい自分で考えなきゃ駄目だろ。
まあ?盗賊団でぬくぬく外の世界のこと何も知らずに育ち、十六になってちょーっと仕事手伝ったくらいで調子に乗って。
そんな調子者に分かるわけないな。
まず闘技なんてクリスには早かったんだ』
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