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そして考えが彼女と同程度という事実。
「颯爽と出ていかなくていいの?
私なんかにかまってる時間あるの?」
アーサーは少し黙った後、口を開く。
「────まあ、あれだ。
勝てなかった時の保障として、あんたを含め、出場する闘士たちに色んな形で無理はあったが、恩を売りつけといたんだ。
そしたら其奴が良い奴だった場合、負けたとしても旅には出れるだろ?
ついて行かせてくれーって頼めばさ。
今さっき言ったが、結構無理矢理だったから、許可してくれるかどうかは不安だったけどな」
かなり無謀な賭けではあったが、彼女と同程度ではなかったので良し。
妖精は関心する。
「なあクリス。
あんた他につてはあるのか?」
「え?
あー・・・・。
ない・・・ですね・・・」
彼女は目を泳がせながら答える。
「だよな。
ほらっ」
アーサーは何かを彼女の前に突き出したようだ。
恐る恐る顔を上げる。
「え?」
アーサーが差し出しているのは。
賞金の入った袋。
「俺は目の前の困ってる奴を見捨てて勝手するつもりはねぇよ。
賞金は全部やる。
その代わりあんたについて行かせもらうからな!」
にっと笑うアーサー。
なんと眩しい笑顔だ。
「ほんとー!!?
ありがとうアーサー!!」
彼女は涙混じりに感謝感激。
なんて素晴らしい御方なのでしょう。
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