3話 都合のいい話

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主に人間の暮らす大界とは反する戦界からやって来るのだ。 「なあ、クリス。 次どこに行くかもう決めてんのか?」 コスタから離れ小高い丘で休憩中の二人。 アーサーはとても器用で、荷物から取り出した食材と料理器具でおしゃれな食事を振舞ってくれた。 だいぶ遅れた昼食である。 「そうねー。 とりあえず近くの街で情報収集かなー。 あ、話してなかったけど、私人を探してるの。」 「人探しの旅ねぇ。 どういう奴なんだ?」 アーサーは彼女の話全てに興味を持っているかのようにぐいぐい来る。 「ベリアル。 知ってる? ベリアル私兵団」 彼女の目的。 復讐すべき相手。 彼女の声は暗く、重かった。 「知らねぇな。 ・・・・・・はやく見つかるといいな。 っし、そろそろ行こうぜ」 アーサーはそれ以上聞かなかった。 てきぱきと後片付けを始めた。 「あー私も手伝う!」 丘には涼やかな風が駆ける。 支度を終えた二人は丘の上から見えた街を目指す。 その途中。 「ヴァギアァアア!!!」 地の底から這い出でる青白い化け物。 その姿はモグラのようであり、モグラではない。 「魔物!!? アーサー! 武器を構えて!!」
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