4話 ターシアでの出来事

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4話 ターシアでの出来事

「すみませーん。 少しお聞きしたいことがあるんですが」 魔物の襲来。 何とか難を逃れ、たどり着いたのはターシアと呼ばれる街。 「なんでしょう?」 「ベリアル私兵団についてなんですけど」 尋ねたのは人当たりの良さそうな魚屋のおじさん。 ベリアル私兵団は大界中を渡り歩き、どんな人の頼みも聴く。 だから以外に、知ってる人は多いと思ったけど。 「なんだ? ベリアル? そんなの聞いたことないな」 「あ、そーですか。 失礼しましたー・・・・・はあ」 どれだけ聞き回っても成果はゼロ。 「よお、何か分かったかー?」 「全く・・・そっちは?」 「こっちも駄目だ。 この街には来たことないじゃないか?」 「そうっぽいわね・・・」 二人で手分けしてもこれ。 少し失礼だが、ターシアにはこれといった魅力もないし、なんだか活気もない。 情報がないならとっとと出て行ってしまおう。 そうお互いの考えが合致し、出口に向かおうとする。 「ねぇお姉ちゃん、お兄ちゃん。 ぼくベリアル知ってるよ?」 突然後ろから子供の声が。 その口からはベリアルという名も。 彼女は子供を怖がらせまいと優しい作り笑いで振り返る。
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