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「あら坊やほんと?
ベリアルさん今どこにいるとか、知ってたりする?」
少し声を高くしてお姉さんのように話す。
それに対してアーサーは
「は、なんだそれ?」
小馬鹿にするように鼻で笑う。
「アンタハチョットダマッテナサイヨ!」
超早口で、尚且つ小声で、そんでもってガン飛ばしながら言う。
アーサーはなんとも言えない顔をしながらではあるが、黙ってくれた。
「うんうん!
知ってる!」
「ほんとに!
じゃあ!」
「でもね!
ぼくと遊んでくれないと教えてあげなあーい!」
男の子はにっこにこしながら彼女の言葉を遮った。
「え? あ、遊ぶ?」
「うん!
まずはねー!
鬼ごっこー!!」
困惑する彼女を気にもとめず、駆け出す。
「俺たちおまえと遊んでられるほど暇じゃねーんだ。
遊びてーなら他を当たりな」
アーサーは男の子に冷たく当たると彼女の腕を引く。
「どうした、早く行こうぜ」
「でもベリアルについて知ってるって」
乗り気ではないが、男の子と遊ぶことを受け入れている彼女を見てアーサーは、はあ、とため息をつき呆れた顔をする。
「ありゃただ遊んで欲しいだけのガキだぞ。
嘘ついて気を引きたいのさ。
付き合うだけ無駄だぜ」
「・・・そっか、ならいっか」
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