23人が本棚に入れています
本棚に追加
話を聞く諒の眉が、寄る。
「ストーカーというか、ただの人違いなんじゃないのか?」
「かもしれん。だとしても何度もはしつこい。田舎から都会に出て来たばっかりで心細いのに知らないやつらに追い回されたら怖いだろ?」
同意を求められて素直にうなずく。怖いというより気味が悪い。
ただ、なんとなく引っかかる。
「最初は俺が……とも思ったんだが春先は着付けの仕事が立て込んでてな。しばらく通学に付き添ってやって欲しいんだ」
確かに熊のような見た目はボディガードに最適だ。
ちなみにノブさんは呉服屋の六代目。見た目ではわからないが着付け教室の先生でコンテストで何度も受賞する腕前。七五三や成人式、入学・卒業シーズンは特に忙しいらしい。
「そのくらい構わんが、武術の心得はないぞ」
「かまわん。偽物でも男がいると分かればストーカーも離れていくだろうし、いざとなったら警察に突き出すぐらいはできるだろう?」
「刃物さえ持ってなきゃな。……了解。いつからだ?」
ノブさんは天井をにらむように視線を上げて考え「明後日」と告げた。
※※
サクサク回収スタートです。
冒頭、笑いを取りに行って失敗しました~ ( ̄▽ ̄;)ゞ
もう一つのお題。サキの家庭の事情が出て参りました。
ずいぶんとこじれているようなので少しずつ解凍していきたいと思います。
お付き合いいただけると嬉しいです (*´ω`*)b
最初のコメントを投稿しよう!