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3年夏。甲子園1回戦
あっという間に季節は過ぎ最後の夏がやってきた。
成田はこの一年で見違えるほどに成長し、練習試合にプロスカウトが大挙して押し寄せるほどの超高校級エースになっていた。
俺は相変わらずセンター兼二番手投手だった。
夏大前のメンバー発表。監督から背番号8を言い渡された時、俺は大きな安堵の息を吐いた。
チームのために戦える。その事実がたまらなく誇らしかった。そして、選ばれなかった者の分まで全力でやらなければならないと思った。
地区予選は成田を中心に一枚岩で勝ち進み、俺たちは無事夢の甲子園への切符を手に入れた。
この夏、俺と成田の投手としての実力は昨年以上に大きく開いていたはずだ。にも関わらず、地区予選での俺の登板機会は昨年よりもはるかに多かった。
成田の疲労を最小限に抑えるという仕事を全うし、俺は大きな自信と喜びを得た。
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