2年夏。地区予選開始

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2年夏。地区予選開始

「今年のチームは贔屓目抜きで強い。成田の疲労を最小限に抑えながら勝ち上がれれば甲子園だって夢じゃないと俺は思う。そしてそのためには控え投手や打線の頑張りが重要になる。いいか、まずは一勝だ。締まっていくぞ!」  2年夏の地区予選。初戦前の円陣。監督の檄を俺は白けた気持ちで聞いていた。  成田を中心に、成田を目立たせるための脇役をやれと言うのか? この俺に? 冗談じゃない!  俺は密かに決意した。この大会中に好投を見せ、俺の活躍で甲子園に導く。そして本戦では必ず背番号1を奪い返してやる、と。  初戦は成田が7回まで0点に抑え、打線の爆発もあり無事コールドゲームで勝利した。まぁ、この程度の相手は0で抑えて当然だ。俺だってそれぐらいできる。  そしてそれを証明するチャンスは早くも訪れた。
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