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砂月と出会ったのは、僕が3歳の誕生日だった。砂月は母親と二人で僕の隣に越してきた。
僕は母親に連れられて挨拶にきた、砂月をひと目見て、3歳で恋に落ちた。
太陽が、毎朝輝いて登る様に。月が、毎夜優しく夜空を照らすように。
ーーーーまるで僕達が、恋に堕ちることが、当たり前かのように。
「さつき、すきだよ」
何度言ったかなんて、分からない。
僕は、三歳で恋に落ちてから、砂月以外を好きだと思ったことは一度も無いし、砂月以外を特別な目で見るなんて考えたこともなかった。
「あきら、だいすき」
そういって、エクボを見せながら笑う、砂月を見れば、僕の心はあっという間に空まで舞い上がる。砂月で僕の心はいっぱいになるんだ。
そんな僕の大好きな砂月には、秘密がある。
それはーーーー憑かれやすいというコト。
だから、これは運命なんだ。
憑かれた彼女を祓うのが、神主の跡取り息子として生まれた僕の使命だと思うから。
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