第4章 花言葉

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 多分、俺は今、砂月に見せたことないような顔してるんだろう。 そのまま両手で、砂月のほっぺたに触れる。ちゃんと伝わるかどうかじゃなくて、声に出して言葉で伝えるんだ。  「好きだよ。砂月が、ずっと好きだよ」 ずっと前から、伝えたかった言葉と想いは、口に出してしまえば、本当にあっという間で、長く心に燻っていた分、あっけなかった。 頷くように、砂月の瞳から涙が、(こぼ)れた。 「彰、大好き」 砂月が、花開く様に笑う。 小さい頃と何一つだって変わらない。 そのまま砂月を、両腕に閉じ込めて、俺たちは、触れるだけのキスをした。 俺に回された小さな手が、背中をぎゅっと締め付けて、心臓と心臓がくっついて、あったかい。 どの位そうしてただろうか。砂月が、ふっと離れた。 そして、そのままポケットから何かを取り出すと、両手を突き出す様にして、俺に差し出した。  「あげる」
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